ティッセンクルップが通期赤字に転落見通し、ブラジル工場の売却損で

鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップは12日の決算発表で、2017年9月通期の純損益見通しを大幅に引き下げた。ブラジルの粗鋼工場CSAの売却に伴い巨額の減損損失を計上するためで、前期実績(2億6,100万ユーロの黒字)を大幅に上回るとしていた従来予測を「大幅赤字に転落する」へと下方修正した。継続事業が好調なことから、営業利益(EBIT、調整済み)については従来予測の17億ユーロから18億ユーロへと引き上げた。

17年1-3月期(第2四半期)の純損益は8億7,900万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(6,100万ユーロ)から大幅に悪化した。CAS売却で減損損失9億ユーロを計上したことが響いた。

EBIT(調整済み)は31%増の4億2,700万ユーロへと拡大した。サービス部門で12倍強の1億2,100万ユーロへと急増したほか、欧州鉄鋼部門でも41.5%増の9,200万ユーロを記録。エレベーター部門は11.3%増えて2億700万ユーロとなった。

売上高は12%増の109億9,800万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の3.3%から3.9%へと上昇した。

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