製薬・化学大手の独メルクは16日、同社を構成する製薬、ライフサイエンス(試薬など)、パフォーマンス素材(液晶など)の3部門を子会社化する方針を明らかにした。それぞれの部門がその可能性をフルに生かせるようにすることが狙い。取締役会の決定と監査役会、株主総会での承認を経て2018年から新体制に移行する見通しだ。
同社はこれまで、本社所在地ダルムシュタットから一つのERP(統合基幹業務システム)を使って全世界の事業を統括してきた。だが、各部門の様々な地域のニーズに適切に対応できていないことから、3部門の分社後はそれぞれの子会社がERPを運用する体制へと改める。
大手企業が事業を分社化する場合は将来の売却や新規株式公開(IPO)を見据えていることが多い。メルクはメディアの問い合わせに対しそうした可能性を明確に否定。3部門の子会社化後も「我々は引き続きメルクであるという認識を持ち、またそのように行動する」方針を強調した。