独シュツットガルト検察当局が自動車部品大手のボッシュを対象に捜査を進めている。26日付『ハンデルスブラット(HB)』紙が報じたもので、同検察の広報担当者は「(ディーゼル車排ガス不正容疑が持たれている)ダイムラーの事件でもボッシュの従業員をほう助容疑で捜査している」ことを明らかにした。ボッシュはフォルクスワーゲン(VW)グループの排ガス不正事件で2015年12月から同検察の捜査対象となっており、新たな火種を抱えた格好だ。
ボッシュはディーゼル車エンジン制御システムの最大手メーカー。VWが排ガス不正に用いたソフトを開発・供給していたことから、不正を知っていたにもかかわらずVWにソフトの供給を続けた、あるいは不正ソフトを共同開発したとの疑惑を持たれている。
米国の消費者と中古車販売事業者はそうした見解に基づいてボッシュに損賠支払いを請求。同社は容疑を否認しながらも、総額3億2,750ドルを支払うことで2月に和解合意した。これとは別にドイツと米国の当局はそれぞれ捜査を進めている。
ダイムラーもメルセデスブランドのディーゼル車で窒素酸化物(NOx)の排出量が台上試験と実際の走行とで大きく食い違っていることから、詐欺と違法広告の疑いが持たれており、シュツットガルト検察は3月に捜査を開始。今月23日と24日にはダイムラーの国内拠点11カ所を対象に大規模な立ち入り捜査を実施した。
ボッシュはこれまでのところ立ち入り捜査を受けていない。同社の広報担当者はHB紙に「当局の捜査に協力する」考えを示した。