後発医薬品大手シュターダへのTOBが失敗

後発医薬品大手の独シュターダは26日、同社を対象に投資大手ベイン・キャピタルとシンベンからなる企業連合が実施した友好的な株式公開買い付け(TOB)が失敗に終わったことを明らかにした。シュターダは同企業連合の傘下に入ることで事業の拡大を加速する計画だったことから、計画の修正を余儀なくされそうだ。

ベインとシンベンの企業連合はシュターダの自社売却に向けた入札で落札したことを受けて、TOBを開始した。買い取り価格は買収観測が出る直前(2016年12月9日)の終値を48.9%上回る1株66ユーロで、75%以上の確保をTOBの成立条件としていた。

だが、TOBの終了期限が近づいても株主の反応が思わしくなかったことから、同期限を2週間、延長するとともに、成立条件を67.5%へと引き下げた。それにもかかわらずTOBに応じた株主は65.52%にとどまった。

シュターダのマティアス・ヴィーデンフェルス社長は今月上旬のメディアインタビューで、ベインとシンベンの支援を受けて十億ユーロ規模の買収を行い後発医薬品と一般医薬品分野のグローバルプレーヤーとなる考えを表明していた。今回のTOBの失敗で巨額買収資金を調達する見通しが立たなくなったことから、事業拡大は主に内部成長を通して実施せざるを得なくなりそうだ。

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