電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は3日の決算発表で、医療機器部門ヘルシニアーズの新規株式公開(IPO)を来年上半期に実施し、新株を外部の投資家に公開する方針を明らかにした。これまでは同株をシーメンス株主に配当として提供することや、ヘルシニアーズを上場する他の企業と合併させることも視野に入れていた。公開益を同部門の強化に充てる。シーメンスはIPO後もヘルシニアーズの過半数株を保持する考えだ。
2017年4-6月期(第3四半期)の製造部門の利益(買収などの企業結合に伴い取得した無形資産の償却費用を計上する前のEBITに財務収益を加えた利益)は前年同期比3%増の22億5,000万と小幅な伸びにとどまった。デジタルファクトリー部門(23%増の4億8,500万ユーロ)とヘルシニアーズ(9%増の5億7,900万ユーロ)は好調だったものの、火力発電設備部門(23%減の3億6,900万ユーロ)が厳しい競争の影響で大幅減益となり足を強く引っ張った格好だ。
売上高は8%増の214億1,300万ユーロに拡大した。事業の買収・売却と為替の影響を除いた実質ベースでは増収幅が3%にとどまる。株主帰属の純利益は6%増の14億1,300万ユーロだった。