世界初の量産電気トラック、三菱ふそうが日米欧で販売へ

独ダイムラー傘下の三菱ふそうは14日、電気小型トラック「eキャンター」を米ニューヨークで公開した。世界初の量産トラックで、今年から米国、欧州、日本の特定の顧客向けに納入を開始。2019年からは一般顧客向けの量産にも乗り出す。

eキャンターは都市の騒音・排ガス問題を解決するために開発した車両で、同社はこれまでポルトガルとドイツで実用供試を実施してきた。今回公開した車両は総重量が7.5トンで、フル充電1回当たりの航続距離は約100キロに上る。走行1万キロ当たりのコストは従来のディーゼル車より最大1,000ユーロ低いという。

川崎工場とポルトガルのトラマガル工場で計500台を生産し、セブン-イレブン・ジャパンや米物流大手UPSなど特定の顧客に納入する。

19年から量産する一般顧客向けの車両では航続距離を150キロに拡大する計画だ。マーク・リストセーヤ社長は実用供試で明らかになった問題点も一般向け車両で解決する考えを明らかにした。

問題の1つは走行音が小さ過ぎるため歩行者が車に気付かず事故が起きやすいというもので、同社は市街地を走行時は警報音を出すようにすることで対応する。駆動装置が後部に取り付けられている関係で後輪タイヤの摩耗が早いという問題も明らかになった。これについては摩耗しにくいゴム化合物の採用をタイヤメーカーに要求していく。

同社長によると、ドイツでは排ガス問題を改善する手段の1つとして電気トラックに関心が集まっている。一方日本では、住宅地の夜間騒音規制の関係で走行音がほとんどない電気トラックのニーズが大きいという。

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