TモバイルUSとスプリント合併が破談に

ドイツテレコムは4日、米移動通信サービス子会社TモバイルUSと、ソフトバンク傘下の米スプリントとの合併に向けた交渉を打ち切ったと発表した。合併条件で折り合いがつかなかったためと説明している。合併後の新会社の経営権をドイツテレコムとソフトバンクのどちらが握るかで合意が成立しなかったもようだ。

ドイツテレコムは2011年、TモバイルUSA(現TモバイルUS)を米AT&Tに売却することで合意したものの、寡占が進むことを警戒する米当局の認可が下りずとん挫。これを受けTモバイルUSAを米同業メトロPCSと合併させたうえで、新会社TモバイルUSを13年に設立し、価格攻勢と通信網の拡充、周波数帯の獲得を通して顧客数を急速に伸ばした。TモバイルUSに対してはスプリントと仏イリアッドが14年、それぞれ買収を狙ったが実現しなかった経緯がある。

ドイツテレコムはTモバイルUSの業績が好転しグループの利益の約半分を稼ぎ出すようになっていることから、経営権を放出は考えられなくなっている。

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