エーザイが抗てんかん剤の独販売を再開

エーザイは17日、抗てんかん剤「フィコンパ」のドイツ販売を再開すると発表した。公的健康保険組合の中央団体との薬価交渉で合意が成立したためで、12月1日から再上市する。

ドイツでは医療費抑制を目的とする新規特許薬の価格取り決めに関する法令(Amnog)に基づき、医師と健保の代表からなる連邦合同委員会(G-BA)が国内で発売された新薬の薬効を評価。既存薬に比べて高い効果(追加有用性)がないと判断された医薬品は、評価で用いられた比較治療薬と同レベルの価格でしか販売できなくなる。また、既存薬より治療効果が高いと判断された新薬もメーカーと公的健保が交渉で薬価を決定する仕組みになっている。

フィコンパは2012年7月に「12歳以上のてんかん患者の部分発作に対する併用療法」について、2015 年 6 月には「12 歳以上の特発性全般てんかん患者の強直間代発作に対する併用療法」についても欧州販売が承認された。同社はこれを受け独市場に投入したものの、G-BAから追加有用性がないと判断されたことから、同国での販売を13年に停止した。その後は16年3月まで無償の患者様支援プログラムを通して提供。16 年 4 月以降は代替手段として並行輸入スキームにより供給してきた。

ドイツでは今年5月に施行された医薬品供給強化法で薬価決定ルールが改正され、G-BA から追加有用性がないと判断された薬剤であっても、新たな薬価交渉を開始できるようになったことから、エーザイは公的健保中央団体と交渉し、今回の合意に至った。

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