鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップが23日発表した2017年9月通期決算の最終損益は6億4,900万ユーロの赤字となり、前期の黒字(2億9,600万ユーロ)から大幅に悪化した。ブラジルの粗鋼工場CSAの売却に伴い減損損失9億ユーロを計上したことが響いた。継続事業ベースの最終損益は2億1,200万ユーロの黒字だった。
営業利益(EBIT、調整済み)は前期比30%増の19億1,000万ユーロと大幅に拡大した。コスト削減のほか、自動車部品、昇降機事業の好調や鉄鋼価格の上昇がプラスに働いた格好。売上高は9%増の429億7,100万ユーロで、売上高営業利益率は前期の3.7%から4.4%へと上昇した。
9月末時点の純債務は19億5,700万ユーロで、前年同日の35億ユーロから44%減少した。CASの売却収入と増資で調達した資金を債務圧縮に投入したことが大きい。
17年9月期は新規受注が18%増加しており、同社は18年9月期の売上高で一ケタ台の前半から半ばの伸びを見込む。コスト削減は7億5,000万ユーロ、EBIT(同)は18億〜20億ユーロを予想している。