BMW車に排ガス不正疑惑

環境保護団体ドイチェ・ウンベルトヒルフェ(DUH)は5日ベルリンで記者会見を開き、高級車大手BMWはディーゼル車の排ガスを不正に操作している疑いがあるとの見解を示した。実際の路上走行時に排出する窒素酸化物(NOx)の量が台上試験(NEDC)の数値を最大7.2倍上回ることが、独自調査で判明したためで、台上試験と路上走行の違いを認識し、台上試験でのみ排ガス浄化システムが適切に働くようにソフトウエアを違法に設定している疑いが強いと批判した。BMWは疑惑を全面否定している。

DUHはディーゼル車「320d」の2016年式モデルを対象に路上走行試験を実施し、BMWが公表している台上試験結果と比較した。同モデルは欧州排ガス基準で現在最高の「ユーロ6」に対応している。

DUHによると、同モデルではエンジンの回転数が1分当たり2,000回を超えると、排ガス浄化能力が低下。3,500回を超えると、浄化能力がまったくなくなるという。

BMWはこれに対し、同テストでは通常あり得ない走行方式が採用されているうえ、路上テストと台上試験の比較も恣意的だと指摘。「わが社の排ガスシステムは台上試験でも実際の走行でも機能している」と反論した。また、フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題発覚直後にBMWの委託で監査機関テュフズードが同モデルを対象に実施した検査や、各国当局の検査で不正がないことが確認されていることもあわせて指摘した。

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