ルフトハンザがニキの買収など断念、独禁当局の難色受け

独航空最大手のルフトハンザは13日、8月に経営破たんした独2位のエア・ベルリンからの事業買収計画を変更すると発表した。従来の計画に対し欧州連合(EU)の欧州委員会が強い難色を示しているためで、エア・ベルリン子会社ニキの買収を断念するほか、同じく子会社であるルフトファールトゲゼルシャフト・ワルター(LGW)の買収でも発着枠(スロット)の一部を取得しないことにした。

ルフトハンザは10月、エア・ベルリン本体の機材20機と同子会社のLGWおよびニキを取得することで合意した。エア・ベルリンから取得する資産を格安航空(LCC)子会社ユーロウイングスに統合し、欧州LCC大手のライアンエアやイージージェットに対抗できる体制の構築が狙いだ。

これに対し認可当局の欧州委が独禁法上の懸念を示した。ドイツの国内・EU線に占めるルフトハンザのシェアが現在の49%から一段と拡大し、市場競争が適切に機能せず運賃の上昇につながると判断したためだ。

同社はこれを受けてすでに、スロット取得の一部断念を打ち出していたものの、ユーロウイングスにニキを統合することは認められないと欧州委から伝えられたことから、今回更なる譲歩案を提出した。

一方、イージージェットがエア・ベルリンの一部資産を取得する計画については欧州委が12日に承認を発表した。競争上の問題がないと判断し、無条件で認可した。イージージェットはベルリン・テーゲル空港の発着権、エアバス「A320」25 機を4,000万ユーロで譲り受ける。

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