BASFが戸田工業との協業拡大、米にも合弁設立へ

化学大手の独BASFは14日、電池正極材分野で協働する戸田工業との協業を拡大すると発表した。電気駆動車の今後の需要拡大をにらんだもので、日本での合弁生産を拡大。米国には合弁会社を新設する。

両社は2015年、合弁会社「BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社(BTBM)」を東京に設立した。出資比率はBASFが66%、戸田工業が34%で、それぞれの正極材ビジネス、知的財産権、日本における製造設備・拠点などを持ち寄った。両社は今回、山口県山陽小野田市にあるBTBM工場でハイ・ニッケル系正極材料の生産能力を3倍に拡大したことを明らかにした。

米国の新合弁会社は戸田工業のミシガン州バトルクリーク工場とBASFのオハイオ州エリリア工場を統合する形で設立する。社名はBASFトダ・アメリカ(BTA)で、BASFが過半数資本を握る。

BASFは7月、リチウムイオン電池用正極材工場を欧州に建設する計画を明らかにした。すでに日本と米国にも正極材の生産拠点を持つことから、日米欧にまたがる生産体制を構築することになる。

BASFの電池材料事業部シニア・バイスプレジデントであるジェフリー・ロウ氏は「日本の生産能力拡大により、BASFは世界有数の正極材料メーカーとなり、e-モビリティ用途の高容量正極材料市場における私たちの立場は、より強固なものとなります。また、北米における戸田工業との協業で、私たちのグローバルな生産ネットワークはさらに拡大します」と発言。主要地域で顧客ニーズに現地生産で応えることで競争力をこれまで以上に強化する考えを示した。

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