自動車部品大手の独コンチネンタルは9日、組織再編を検討していることを明らかにした。ブルームバーグ通信の報道を追認した格好。自動車業界では競争激化や投資の拡大を背景に組織再編の機運が高まっている。コンチネンタルは相乗効果の薄い事業を抱えていることもあり、組織の見直しを求める市場の圧力は強く、今回の検討に入ったとみられる。検討は初期段階にあり、最終的に組織再編に踏み切るかは「現時点で全く未定だ」としている。
ブルームバーグ通信によると、コンチネンタルは◇持ち株会社化する◇同社を複数の会社に分割する◇事業を競合企業との合弁会社へと改める――ことを検討している。同社は具体的な検討内容を伏せているものの、ヴォルフガング・シェーファー取締役(財務担当)は半年以内により踏み込んだ情報を提供したいと明言した。
自動車メーカーと有力サプライヤーは車両の電動化・IoT化や自動運転の実現に向けて巨額の投資を余儀なくされている。このため、投資コストの圧縮に向けて競合企業との開発提携などが活発化。また、事業を効率的かつ迅速に推進できるようにするために組織再編に取り組む企業も少なくなく、高級車のダイムラーは昨年10月、すべての事業部門を法的に自立した子会社へと改め、同社本体を持ち株会社化する計画を明らかにした。
コンチネンタルは大きく分けてオートモーティブ・グループ(シャーシ&セーフティ、パワートレイン、インテリアの3部門)とラバー・グループ(タイヤ、ホースの2部門)の2グループで構成される。両グループ間の関連は小さく、米投資顧問会社サンフォード・バーンスタインは11月、会社分割を要求した。これに対しコンチネンタルは、異なる事業を抱えることで景気変動の影響を緩和できるとして拒否の姿勢を示していた。
ただ、エルマール・デーゲンハルト社長は9月の新聞インタビューで、「組織再編や事業売却がわが社の価値を創出するという結論に達すれば、それに見合った措置を取る」とも述べており、同社は最終的に組織再編へと踏み切る可能性がある。