スポーツ用品プーマが独立企業に、仏ケリングが経営権放出

高級ファッション大手の仏ケリングは11日、独スポーツ用品子会社プーマの経営権を手放す意向を表明した。経営資源をファッション分野に絞り込む戦略に基づく措置で、保有するプーマ株86.3%のうち約70%を自社の株主に現物配当として提供。出資比率を約16%まで引き下げる。

ケリング(旧PPR)は2007年、プーマの株式およそ62%を取得して子会社化した。スポーツ用品を新たな事業の柱にしようと考えたためで、出資比率をその後、引き上げていった。プーマは当時、ライフスタイル重視路線を打ち出しており、グッチ、イヴ・サンローランなどのファッションブランドを擁するケリングとは事業に親近性があった。

だが、プーマはその後、経営が悪化。13年に就任したビョルン・グルデン社長はスポーティーなイメージを重視する路線を打ち出し、経営再建に成功した。

一方、ケリングは衣料品、革製品、宝飾品、時計に経営資源を絞り込む方針へと転換。ライフスタイル路線から決別したプーマとは相乗効果が期待できない状況となっており、市場には数年前から、プーマからの撤退観測が出ていた。

プーマの業績は好調で、2017年の売上高見通しは前年比14〜16%増の40億ユーロ弱に拡大。営業利益(EBIT)は2億3,500万〜2億4,500万ユーロへと倍増する見込みだ。

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