シーメンスの医療機器子会社、IPO控え高配当を約束

独電機大手シーメンスの医療機器子会社シーメンス・ヘルシニアーズは16日、中期の業績目標を発表した。人工知能やビッグデータを活用しながら市場を上回るスピードで業績を拡大する考え。同子会社は上半期中の新規株式公開(IPO)を予定していることから、株主に還元する純利益の割合を示す配当性向で50〜60%の高い水準を確約した。

シーメンスは2014年5月に打ち出した組織再編計画で医療機器部門を中核事業から除外した。同部門は他の事業との関連が薄く、「企業内企業」として運営する方が良いと判断したためで、16年5月に社名をシーメンス・ヘルシニアーズとした。市場では3月末までにIPOを実施すると目されている。

シーメンス・ヘルシニアーズは投資家の投資意欲をかき立てるために今回、業績目標を発表した。売上高を17年9月期の138億ユーロから18年9月期は3〜4%拡大。中期的には内部成長ベースの売上成長率を4〜6%へと高める目標だ。

18年9月期の売上高利益率(調整済みベース)は17〜18%となり、前期(約18%)と同水準にとどまるものの、その後は引き上げていく。中期の同利益率目標を分野別でみると、主力の画像診断装置と、先進医療はそれぞれ20〜22%、体外診断薬・機器は16〜19%となっている。体外診断薬・機器市場では最大手ロシュの競争力が強いことから、シーメンス・ヘルシニアーズは検査効率を大幅に高めた新製品群「アテリカ・ソリューション」で対抗していく。

同社のコストについては20年までに年2億4,000万ユーロの削減を目指す。

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