中国企業の独バイオテスト買収、米当局が条件付きで承認

血液製剤製造の独バイオテストは19日、中国の投資会社、科瑞集団が同社を友好的に買収する計画を米国の対米外国投資委員会(CFIUS)が承認したと発表した。バイオテストの米国子会社売却を条件に許可を取り付けた。

ビオテストは昨年4月、科瑞に自社売却することで合意した。科瑞の支援を受けて事業を拡大する考えだ。

科瑞はその後、独法人を通して株式公開買い付け(TOB)を実施。期限の6月15日までにビオテスト株82.15%を確保し、株主の承認を確保した。

だが、米国への直接投資を国家安全保障の観点から審査するCFIUSは同買収計画に難色を示した。血液製剤の原料である血漿の米国における提供者と患者の個人データに科瑞がアクセスできることを問題視したためだ。

バイオテストと科瑞はこれを受け、バイオテストの米国子会社売却を提示。CFIUSの懸念を取り除いた。

科瑞はCFIUSのゴーサインを受けて当局の承認をすべて獲得したことから、今後はTOBに応じた株主に現金を支払い、買収手続きを速やかに完了する考えだ。

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