仏自動車大手PSAの独子会社オペルは25日、小型車「コルサ」の新モデル生産に向けて進めてきたスペイン北部のフィグエルエラス工場への投資を即時凍結することを明らかにした。コスト削減に向けて進めてきた労使交渉を労働組合が打ち切ったためで、新コルサの生産を他工場に移管する可能性もあるとしている。
オペルは昨年11月、長期赤字からの脱却に向けて業績改善計画を発表した。あらゆる事業分野でコストを圧縮する考え。整理解雇は見合わせるものの、従業員にも協力を求める意向だ。
フィグエルエラス工場には5,300人が勤務しており、昨年は稼働率が80%、生産台数が38万2,250台だった。PSAは同工場について、賃金が高く、労働時間が少ないうえ、柔軟性に欠けるとみており、メス入れは避けられない状況。オペルは労使交渉を通してこれらの問題の解決を目指してきたものの、労組側が打ち切ったため、厳しい姿勢を打ち出した。