ダイムラーとのカーシェア統合へ前進、BMWがドライブナウを完全傘 下に

高級車大手の独BMWは29日、レンタカー大手ジクストからカーシェア合弁ドライブナウの資本50%を譲り受け完全子会社化すると発表した。BMWは競合ダイムラーとカーシェア事業を統合する計画のようで、メディア報道によると事業統合合意を目前に控えているという。

ドライブナウはBMWとジクストが2011年に折半出資で設立した合弁会社。「BMW」「ミニ」ブランド車6,000台強を用いて欧州の主要13都市で事業を展開しており、顧客数は100万人を超える。BMWは同合弁の資本50%をジクストから2億900万ユーロで取得することで合意した。独禁当局の審査を経て買収手続きが4-6月期に完了すると見込んでいる。

BMWとダイムラーがカーシェア事業の統合に向けて協議しているとの観測は1年以上前から浮上していた。配車サービスの米ウーバーなど競合企業に対抗することが狙いで、足元の欧州市場で強力な基盤を築き、これら競合が参入しにくい状況を作り上げたい考えだ。

BMWとダイムラーのカーシェア事業統合交渉は当初、難航した。ジクストが難色を示したためだが、ジクストは昨年春頃から態度を軟化。BMWとの今回の合意に至った。

ダイムラーは現在、「カー2ゴー」ブランドでカーシェア事業を展開している。車両数は1万4,000台、顧客数は300万人と、ドライブナウを上回る。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、ダイムラーとBMWはカーシェア事業統合後もカー2ゴー、ドライブナウの両ブランドを存続させる考えという。

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