ドイツ連邦統計局が8日発表した2017年の貿易黒字(暫定値)は2,449億ユーロとなり、過去最高となった前年を1.6%下回った。貿易黒字の減少は8年ぶり。輸出高は6.3%増の1兆2,794億ユーロへと拡大したものの、輸入高が8.3%増の1兆346億ユーロとより高い伸びを記録したことから、同黒字幅が縮小した。輸出高と輸入高はこれまでに引き続き過去最高を更新している。
経常黒字は0.8%減の2,571億ユーロへとやや低下した。貿易黒字の縮小のほか、居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示す第二次所得収支で赤字幅が400億ユーロから523億ユーロへと拡大したことが響いた。対外金融債権・債務から生じる利子・配当金などの収支状況を示す第一次所得収支では黒字幅が521億ユーロから606億ユーロへと増加した。
輸出高を地域別でみると、伸び率が最も大きかったのはユーロ加盟国向けで、前年比7.0%増の4,714億ユーロへと拡大した。ユーロ圏経済の加速が反映された格好。欧州連合(EU)のユーロ非加盟国は同5.1%増の2,787億ユーロ、EU域外は6.3%増の5,294億ユーロだった。輸出に占める各地域の割合はユーロ圏が36.8%、EUのユーロ非加盟国が21.8%、EU域外が41.4%となっている。
輸入高ではEUのユーロ非加盟国(9.5%増の2,231億ユーロ)の伸び率が最も大きく、これにEU域外(9.1%増の3,521億ユーロ)、ユーロ圏(7.2%増の4,594億ユーロ)が続いた。輸入に占める割合はユーロ圏が44.4%、EUのユーロ非加盟国が21.6%、EU域外が34.0%だった。
ドイツはこれら3地域との貿易ですべて黒字を計上した。貿易黒字幅は対EU域外がダントツで大きく1,773億ユーロに上る。EUのユーロ非加盟国は同556億ユーロ。ユーロ圏は120億ユーロと比較的少ない。
17年12月の輸出高は1,009億ユーロで、前年同月を3.9%上回った。輸入高は5.0%増の827億ユーロで、貿易黒字は前年同月の183億ユーロから182億ユーロへとやや減少した。経常黒字はサービス収支と第一次所得収支が増加したことから、249億ユーロから278億ユーロへと拡大した。