フォードが独で銀行免許申請か

自動車大手の米フォードがドイツ金融監督庁に銀行免許を申請しているもようだ。英国が欧州連合(EU)から離脱すると、これまで英金融子会社フォード・クレジット・ヨーロッパを通して展開してきたEU事業に支障が出るためで、昨年夏に申請。今夏に免許を取得する見通しという。『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が情報源を示さずに9日、報じた。同社は報道内容へのコメントを控えている。

フォードは欧州事業本部のある独ケルンに銀行を開設する。同地にあるフォード・クレジット・ヨーロッパの支店を、事業免許を持つ銀行へと発展させるものとみられる。50人未満の新規雇用が見込まれているという。

EUには金融機関が域内に拠点を構えていれば全加盟国で事業を展開できる「パスポート」制度がある。銀行や証券会社の多くはこれを活用して英国の拠点からEU事業を展開してきたが、同国がEUから離脱するとそれができなくなる恐れが高いことから、ロンドンなどで行ってきた業務一部をEU域内に移管する方向で準備を進めている。

これまで自動車メーカーがドイツなどから展開してきた英国の金融サービス事業についても同国のEU離脱後は支障が予想されることから、独仏などのメーカー系金融機関も英国で免許を取得する必要が出てくる見通しだ。FAZ紙によると、独フォルクスワーゲン(VW)は英国での銀行免許取得を検討しているという。

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