エネルギー大手の独EnBWは12日、台湾に風力発電パークを建設することで、豪金融サービス大手マッコーリー・キャピタル、台湾の複合材メーカーである上緯企業の再生可能エネルギー子会社・上緯新能源(Swancor Renewable)と合意したと発表した。EnBWが洋上風力発電事業を欧州域外で行うのは初めて。EnBWは同分野でノウハウを蓄えており、世界的に引き合いが多いことから今後は同事業の国際化を推し進める考えだ。
3社は台湾中西部の彰化県に洋上風力発電パークを計3カ所、設置する。発電容量は合わせて約2,000メガワット(MW)。EnBWは37.5%を出資する。同社は技術的なノウハウ、上緯新能源は現地ネットワーク、マッコーリーは国際的な投資家として経験を持ち寄る。
台湾は2025年までに原子力発電を廃止する方針を打ち出している。これに伴って生じる電力供給の穴を再可エネで埋め合わせる計画で、同年までに洋上風力発電の容量を5.5ギガワットとする計画だ。
EnBWは原発中心の発電会社だったが、ドイツの原発廃止政策を受けて再可エネを事業の支柱とする方針へと転換した。洋上風力発電分野では運営中のパークの容量が336MW、建設中が同610MW、計画中が900MWに上る。再可エネ分野で25年までに計50億ユーロ以上の新規投資を計画している。