半導体大手の独インフィニオンは20日、デンマークのスタートアップ企業メルス・オーディオ(Merus Audio)を買収したと発表した。オーディオ事業を強化する考え。買収金額は公表しないことで合意した。
メルスは2010年の設立で、アンプソリューションを開発・製造している。同社製品は省エネ性能が高く、搭載製品の稼働時間を長くできる。また、サイズが小さいため搭載製品を小型化できる。さらにハイクオリティの音質を実現する。最近は人工知能を搭載したスマート・スピーカーを単なる音声操作アシスタントとしてだけでなく、音楽を聴くために利用する消費者が増えていることから、インフィニオンは同分野での需要拡大を見越してメルスを買収した。
インフィニオンはオーディオ事業を強化しており、昨年にはモノのインターネット(IoT)機器向けのボイスプロセッサーを手がける英同業エックスモス(XMOS)に戦略出資した。音声を利用した人間と機械の間の情報伝達(ヒューマンマシンインタフェース=HMI)分野で技術力を強化する狙いがある。