ハンブルク市(州)は1日、無人運転電気小型バスの実用プロジェクトを同市で実施すると発表した。無人運転バスを実際の都市交通に統合できるようにすることが狙い。高度道路交通システム(ITS)の世界会議が同市で開催される2021年秋までに運転手なしの運行を実現する計画だ。
公共交通機関ハンブルガー・ホーホバーンを中心に「HEAT(ハンブルク・エレクトリック・オートノモス・トランスポーテーション)」という名のプロジェクトを実施する。計3.6キロの試験区間をエルプフィルハーモニーのあるハーフェン・シティ地区に設置。最大時速50キロで走行する。
プロジェクトは3段階に分かれており、まずは乗客なしのテストを19年春に開始する。必要に応じて運転を引き受ける専門要員が乗車する。第2段階は専門要員のほか乗客も乗車する形でテストを実施。最終段階では乗客のみが乗車するようにする。
車両は自動車業界向けエンジニアリングサービス大手の独IAVが開発している。全長5メートル、幅2メートル、高さ2.6メートルで、車重は約4トン。定員は16人で、シートは10席。車椅子でも利用できるようランプが装備されている。
路上の通信インフラとソフトウエアは電機大手のシーメンスが提供。このほか、気候保護・エネルギー・モビリティ研究所(IKEM)が無人運転バスの運行許可取得、独航空宇宙センター(DLR)が他の交通参加者との相互作用や乗客の受容度の調査を引き受ける。