ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した5月の乗用車新車登録台数は前年同月比5.8%減の30万5,057台へと落ち込んだ。移動祝日の関係で比較対象の昨年5月に比べ営業日数が2日少なかったことが響いた格好。1〜5月の累計は前年同期比2.6%増の149万7,723台だった。
5月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車は52.0%増の2,310台と、これまでに引き続き大きく伸びた。環境対応車の購入補助金制度が奏功した格好。ハイブリッド車50.5%増の1万299台で、同助成金の対象となるプラグインハイブリッド車は6.1%増の2,465台だった。
ガソリン車は6.0%増加し、シェアは前年同月の56.8%から64.0%へと大きく拡大した。排ガス性能の低い旧型ディーゼル車の市内乗り入り制限論議を背景にガソリン車の需要は拡大傾向にある。ディーゼル車は27.2%減少し、シェアは40.4%から31.3%へと低下した。
新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均130.5グラムで、前年同月を1.5%上回った。排気量が大きいSUVと、ディーゼル車に比べてCO2排出量が多いガソリン車の需要増が背景にある。
SUVの新車登録は9.6%増加した。伸び率が最も大きかった部門は大型車で、14.8%に達した。このほか多目的車(4.5%増)、スポーツ車(2.8%増)、キャンピングカー(2.4%増)で前年同月を上回った。
伸び率が最も大きかったブランドはDSで、前年同月比45.2%増の395台を記録。これにジープ(29.1%増の1,497台)、スバル(13.0%増の661台)、ダチア(10.8%増の7,515台)が続いた。
ドイツ車はVWが5.8%増の6万3,835台、ミニが2.5%増の4,576台へと拡大した以外はすべて減少した。各ブランドの実績はアウディが0.4%減の2万6,971台、スマートが0.6%減の3,251台、ポルシェが4.6%減の2,984台、フォードが6.5%減の2万2,050台、メルセデスが13.3%減の2万7,214台、オペルが15.1%減の1万8,761台、BMWが15.8%減の1万9,027台だった。
スバル以外の日本車ではホンダが8.8%増の1,888台と好調だった。その他のブランドはスズキが4.5%減の3,003台、トヨタが5.0%減の7,228台、三菱が18.7%減の3,866台、レクサスが20.7%減の249台、マツダが22.1%減の4,582台、日産が42.7%減の3,606台だった。
日本車以外の主な輸入ブランドではセアト(9.6%増の1万478台)とアルファロメオ(8.9%増の621台)が増加。その他はルノーが1.1%減の1万1,683台、シュコダが2.5%減の1万8,075台、起亜が2.6%減の5,765台、シトロエンが8.1%減の4,596台、プジョーが9.9%減の5,343台、現代が10.0%減の9,129台、フィアットが14.0%減の9,148台、ボルボが15.9%減の3,129台、双竜が22.3%減の227台、ジャガーが33.5%減の622台、テスラが37.9%減の200台、ランドローバーが49.8%減の1,063台だった。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した5月の国内乗用車生産台数は44万2,800台で、前年同月を8%下回った。同輸出台数は5%減の34万7,500台。1〜5月の累計は生産台数が前年同期比4%減の235万6,300台、輸出台数が2%減の183万2,400台だった。