高度な自動運転列車の試験運用、ハンブルクで21年から

独北部のハンブルク州とドイツ鉄道(DB)、鉄道設備・車両大手のシーメンスは12日、高度な自動運転列車のパイロットプロジェクトを2021年から開始すると発表した。高度な自動運転列車が投入されるのはドイツで初めて。輸送効率の向上やエネルギー消費量の低減を実現する狙いで、ハンブルクは同プロジェクトの終了後、近郊電車(Sバーン)を全面的にデジタル化する。DBはスマートで環境に優しい鉄道に関するノウハウを獲得し、他の大都市での事業に活用する考えだ。

高度道路交通システム(ITS)の世界会議が同市で開催される2021年10月からSバーン21号線でパイロットプロジェクトを実施する。対象となるのはベルリナー・トーア駅〜ベルゲドルフ/アオミューレ駅の23キロ区間。計4編成の車両を投入する。運転手1人が同乗するものの、支障や異常がない限り運転に介入しない。

自動運転列車は無線でコントロールセンターと通信することから、列車の運行間隔を狭めて輸送能力を高めることができる。また、運転動作の無駄が省かれることから省エネとコスト削減につながる。

ハンブルクはスマートな都市交通のモデル都市となっており、その実現に向けた様々なプロジェクトを展開。6月にはITSの開催に合わせて無人運転電気小型バスの実用プロジェクトを実施すると発表した。

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