VWグループ上期販売550万台突破、下期はWLTPの影響で減速か

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が17日発表した1-6月期(上半期)のグループ販売台数は前年同期比7.1%増の551万9,000台となり、過去最高を更新した。すべての主要地域で増加。南米(13.1%増の28万900台)と中東欧(10.2%増の40万3,200台)は2ケタ台の伸びを記録した。

南米では主力のブラジルが22.6%増の17万4,400台と大きく拡大。中東欧ではロシアが20.0%増の10万2,900台と特に好調だった。

アジア太平洋は8.9%増の216万3,400台で、主力の中国は9.2%増の199万4,400台だった。西欧は5.8%増の201万5,900台。北米は0.8%増の46万5,000台と小幅な伸びにとどまったものの、米国は6.3%増の31万1,900台と堅調だった。

ブランド別では商用車のMANの伸び率が最も大きく、24.0%増の6万5,400台を記録。乗用車のセアト(17.6%増の28万9,900台)とシュコダ(11.6%増の65万2,700台)も2ケタ増となった。その他の主要ブランドはVWブランド乗用車が6.3%増の311万8,700台、アウディが4.5%増の94万9,300台、ポルシェが3.2%増の13万600台で、商用車はスカニアが7.3%増の4万6,800台、VWブランド商用車が3.5%増の25万8,800台だった。

6月のグループ販売台数は95万8,600台で、前年同月を4.1%上回った。中東欧(11.9%増)、南米(11.3%増)、西欧(10.8%増)が2ケタ台の伸びを記録。北米は米国の増加にもかかわらず3.4%落ち込んだ。アジア太平洋も中国が2.2%減となったことから1.2%落ち込んだ。中国の販売減の背景には、7月の輸入車関税引き下げを見越して顧客が購入を控えたという事情がある。

6月の販売をブランド別でみると、MAN(24.4%増)とセアト(13.7%増)、シュコダ(10.8%増)は2ケタ台の伸びとなった。VWブランド乗用車は4.2%増。アウディは3.8%、ポルシェは5.3%落ち込んだ。

欧州連合(EU)では排ガス規制が強化され、9月1日以降に新車登録される乗用車は実際の走行に近い排ガスデータが得られる台上試験「世界統一試験サイクル(WLTP)」をクリアしなければならない。WLTP試験に予想以上の時間がかかっていることから、VWは一部モデルの顧客引き渡しに遅れが出ると予想している。

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