帝人フロンティアが独不織布メーカー買収

帝人フロンティアは30日、ドイツの不織布メーカーJ.H.チーグラー(Ziegler)を完全買収すると発表した。欧州で自動車向け内装材の生産・販売拠点を獲得し、車内装事業のグローバル展開を加速する。買収金額は約1億2,500万ユーロ。8月の買収手続き完了を見込む。

チーグラーは西南ドイツのアハーンに本社を置く1864年創業の老舗メーカー。不織布を用いた自動車向け吸音材を製造・販売しており、欧州・中国を中心に広く事業展開している。また、カーシートの表皮材とクッション構造体との緩衝材であるシートワディング材でシワの発生抑制による表皮材の高級感維持などを実現するソリューションを提供している。ドイツ(3カ所)、ハンガリー、中国の計5カ所に生産拠点を持つ。従業員数は約400人で、昨年は6,900万ユーロを売り上げた。

自動車業界では近年、車両の電動化や自動運転技術の進展などを背景に快適性や静音性を追求した車内空間のニーズが高まっている。帝人フロンティアはこうした変化を大きなビジネスチャンスととらえ、特に音を制御して快適空間を生み出す制音機能をコアとした事業を拡大していることから、チーグラーを買収する。チーグラーは帝人フロンティアの傘下に入ることでグローバル展開を強化する。

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