干ばつ被害の農家支援へ、独政府が決議

ドイツ政府は22日、干ばつの影響を強く受ける農家への支援方針を決議した。穀物の暫定的な作柄統計で収穫量の大幅減が確認されたためで、国(連邦)と州で総額3億4,000万ユーロの支援を行う。州政府と今後協議し、9月中旬までに合意する見通しだ。

ドイツでは春以降、降雨量が少なく、穀物農家などが大きな打撃を受けている。今年の1ヘクター当たりの穀物収穫量(とうもろこしを除く)は過去3年間の平均を15.8%下回る。特に北部と東部で被害が大きく、最北のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州では減少幅が31.0%に達した。

農家の支援は基本的に州が行うことになっている。だが、今年はほとんどの州で作柄が悪化していることから、ユリア・クレックナー農相は「全国レベルの悪天候被害」と認定。国が支援に乗り出すことを決めた。

干ばつで農家が受ける被害の総額は6億8,000万ユーロとなる見通し。政府はこれを受けてその半額の3億4,000万ユーロを国と州で支援する方針を決議した。国は各州が行う支援に計1億5,000万〜1億7,000万ユーロの上乗せを行う。

支援を受けられるのは(1)収穫量が過去3年間の平均を30%以上、下回る(2)作柄不良の結果、経営危機に陥っている――の2条件を満たした農家。政府によると、全農家の4分の1に当たる約1万世帯・事業所が該当する。

干ばつの影響は特に酪農家で深刻だ。飼料となる穀物の作柄不良を受けて冬用飼料の取り崩しや家畜数の削減を余儀なくされるケースが出ている。クレックナー農相はこの事情を踏まえ、酪農家の支援申請を最優先で処理するよう、支援の窓口となる州当局に要請した。

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