アリアンツが生保資金の株式運用などを拡大

保険大手アリアンツの独法人は12日、生保顧客の資金運用で株式投資と非伝統的な資産を対象とするオルターナティブ投資を拡大する方針を明らかにした。これまで主流だった国債などの債券は低金利で運用が厳しくなっていることから、比重を引き下げる。2016年に発効した新資本規制「ソルベンシー2」で運用規制が緩和され、保険会社が自らリスクを引き受ければ運用資産を自由に選択できるようになったことを追い風としてフルに活用する考えだ。

欧州中央銀行(ECB)の超低金利政策が長期化していることを受けて、生保会社は運用に苦慮している。特に、一定水準の利回りを保証する古典的な生命保険は業績の大きな足かせとなっており、多くの企業はそうした商品の販売を縮小・停止している。

金利が高い時代は国債などへの投資で一定水準以上のリターンを安定的に確保できたが、現在はそれが不可能になっていることから、債券に代わる顧客資金の運用先が必要になっている。アリアンツの独法人はこれを踏まえ、資金の運用先に占める株式の割合を今後3〜4年で、今年6月の10%から「13〜18%」へと拡大。再生可能エネルギーやプライベートエクイティ、不動産、インフラプロジェクトなどを対象とするオルターナティブ投資も同23%から35%へと引き上げる。債券投資は計67%から50%程度に引き下げる。

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