VW商用車部門トラトンが欧州会社化、IPOに向け

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は20日の監査役会で、商用車部門を統括する子会社トラトン・グループの形態をドイツ法に基づく株式会社(AG)から欧州連合(EU)法に基づく欧州会社(SE)へと変更することを決議した。トラトンの新規株式公開(IPO)に向けた取り組みの一環で、年内にも変更手続きを完了する。

VWは4月、計12あるグループブランドを大衆車、高級車、超高級車、商用車の4部門に再編したうえで、乗用車事業との関連が薄い商用車部門を有限会社から株式会社へと改め、事業の拡大や強化に向けた資金を調達しやすくする方針を打ち出した。これを受けて商用車部門の社名を第3四半期に、フォルクスワーゲン・トラック・アンド・バス(VWTB)からトラトン・グループへと変更した。

トラトンのSE化はこれに続く措置。欧州会社の法形態を採用することで同社の国際的な性格を強調し、全世界的に事業を拡大しやすくする狙いがある。

トラトンはMAN、スカニア、フォルクスワーゲン・カミーニョス・エ・オニブス(南米ブランド)、RIO(コネクテッドトラックシステム)の4ブランドで構成される。年内にSE化が完了することから、来年にもIPOを実施できる体制が整うことになる。IPOの具体的な時期については市場環境を踏まえ適切な時期に決定するとしている。

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