マインツもディーゼル車走行禁止の方向

西南ドイツのマインツ市が作成した大気浄化計画は効果が不十分だとして環境保護団体DUHが市当局を提訴している裁判で、一審のマインツ行政裁判所は24日、訴えを認める判決を下し、来年4月1日までに新たな浄化計画を作成するよう同市に命じた。来年上半期の窒素酸化物(NOx)濃度が許容上限値を上回った場合はディーゼル車の走行禁止措置を9月1日までに導入しなければならないとしており、NOx排出量が多い旧型ディーゼル車の走行禁止を回避するのは難しい状況だ。

欧州連合(EU)加盟国は窒素酸化物(NOx)の濃度を1立方メートル当たり40マイクログラム(年平均)以下に抑制することを2010年以降、義務づけられている。ドイツでは首都ベルリンを含む多くの都市で同規制を順守できない状況が続いていることから、DUHはそれらの都市の大気浄化計画を不十分として裁判を起こしている。すでにシュツットガルト、アーヘン、フランクフルト、ベルリンに対しては走行禁止を命じる判決が下されている。

マインツのNOx濃度は48マイクログラムと、EUの許容上限を上回っている。市当局はこれを40マイクログラム以下に抑制するために◇乗り合いバスに排ガス浄化装置を後付けする◇NOx排出量が少ない欧州排ガス基準「ユーロ」対応のバスと電動バスを調達する――などの計画を打ち出したが、マインツ行政裁はEU規制を順守するには不十分な措置だと判断し、新たな大気浄化計画にディーゼル車の走行禁止を盛り込むよう命じた。来年上半期のNOx濃度平均が40マイクログラムを超えた場合、市は新計画に基づき旧型ディーゼル車の走行禁止措置を9月1日までに実施することになる。

裁判官は控訴を認めており、判決は未確定。マインツ市は控訴するかどうかを現時点で明らかにしていない。

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