VWがSUV攻勢、25年までに販売比率50%に

フォルクスワーゲン(VW)ブランド乗用車は24日、スポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)のラインナップを2025年までに30モデル以上に拡大する方針を明らかにした。北米、南米、中国を中心に全世界で需要が大きく伸びているためだ。自社販売に占めるSUVの割合が同年までに現在の約20%から約50%に拡大するとみている。

同社はSUVの流行に乗り遅れたものの、2015年からSUVの販売を重点強化。現在は大型の「トゥアレグ」、コンパクトクラスの「ティグアン」「Tロック」を展開している。今後はさらに小型の「Tクロス」を投入する考えで、25日には同モデルを欧州、中国、南米で同時初公開した。

Tクロスは小型車「ポロ」サイズのSUV。VWブランド乗用車で最小のSUVとなる。ユルゲン・シュタックマン取締役(販売担当)は、小型SUVは特に大きな需要が見込めると述べ、Tクロスの販売台数が初年度から10万台を超えるとの予想を示した。

SUVは排気量が多いため、販売が増えれば二酸化炭素(CO2)の排出も増えるという問題がある。同社はこの問題に対応するためにSUVの電気自動車(EV)モデルを投入する考えで、まずは第一弾として20年に「I.D.クロス」を発売する。

SUVは収益力が高いことから、同社はSUVの販売比率を高めることで電動車、自動運転車分野の投資資金を確保する考えだ。シュタックマン取締役は「SUVを一度、利用すると、他のセグメントの車両に乗り換えるのが難しくなる」と述べ、SUV人気は長期的に続くとの見方を示した。

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