ドイツ政府は31日の閣議で、法定最低賃金を来年と再来年にそれぞれ引き上げることを了承した。最低賃金諮問委員会の答申を踏まえたもので、現在の1時間当たり8.84ユーロを2019年1月1日付で9.19ユーロ、20年1月1日付で9.35ユーロへと改定する。合計の上げ幅は5.8%に上る。
ドイツでは全国・全業界一律の最低賃金が2015年1月に導入された。当初は8.5ユーロで、17年1月に現行水準へと引き上げられた。同賃金の水準は国内の各種業界で取り決められる賃金協定をもとに2年ごとに見直されることになっている。
最低賃金が順守されているかどうかは税関が調査しており、違反企業には最大50万ユーロの過料が科される。また、被用者の勤務時間を正しく記録していない場合も最大3万ユーロの罰金が科される。違反企業は公共入札に参加できない。
所轄大臣のフベルトゥス・ハイル労相とオーラフ・ショルツ財務相(ともに中道左派の社会民主党=SPD)は12ユーロを妥当な額としており、最低賃金は今後、大幅に引き上げられる可能性がある。