米大手銀ゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、シティグループの4行は独フランクフルトの拠点で管理するバランスシート上の資産を約10倍に拡大するもようだ。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を踏まえた措置で、EU金融監督当局から要求されたという。ブルームバーグ通信が複数の消息筋の情報として報じた。4行は報道内容へのコメントを控えている。
同通信によると、4行がフランクフルトで管理する資産の総額は昨年278億ユーロだった。ブレグジット後はこれを2,500億ユーロへと拡大する。
同資産の拡大額が最も大きいのはJPモルガンで、157億ユーロから1,000億ユーロへと引き上げる。ゴールドマン・サックスは3億から600億ユーロ、シティは102億ユーロから500憶ユーロ、モルガン・スタンレーは16億から400億ユーロへと拡大する。
フランクフルトの金融立地競争力強化を目的とする非営利法人「フランクフルト・マイン・ファイナンス」のフベルトゥス・フェート専務理事は地元紙に、報道内容が正しければ同市の国際的な地位が大幅に高まると指摘。また、ブレグジットを受けて同市の事業を強化する他の25行も同様の措置を取ると述べ、フランクフルトで管理される銀行資産の規模はさらに増えるとの見方を示した。