半導体のインフィニオンがスタートアップ買収

半導体大手の独インフィニオンは12日、独東部のドレスデンに拠点を置くスタートアップ企業シルテクトラをベンチャーキャピタルMIGファンズから買収すると発表した。半導体チップの歩留まりを大幅に引き上げる狙い。1億2,400万ユーロで譲り受ける。

シルテクトラは材料損失を抑えて結晶を効率的に加工する「コールドスプリット」という技術を持つ。インフィニオンはSiC(炭化ケイ素)ウエハーの分割に同技術を投入。1枚のウエハーから取れるチップの量を2倍に拡大する。

インフィニオンが同日発表した2018年9月通期決算の営業利益(特別要因を除く)は前期比12%増の13億5,300万ユーロと2ケタ台の伸びを記録した。車載半導体部門は2%の減益となったものの、産業向けパワー半導体部門などが好調で全体が押し上げられた。売上高は8%増の75億9,900万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の17.1%から17.8%へと上昇した。

純利益は36%増の10億7,500万ユーロと大きく拡大した。資産売却の効果などで水準が押し上げられた。

19年9月期は売上成長率で9〜13%、売上高営業利益率で約18%を見込む。売上高は車載半導体部門で特に大きく伸びるとみている。

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