自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)で生産に支障が出ている。エンジン部品の供給が不足しているためで、ヴォルフスブルク本社工場では9日に生産ラインが停止した。ツヴィッカウ工場ではハッチバック車「ゴルフ」の生産ラインを停止して操短を導入することが検討されている。同社の確認を得た情報として『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
同紙によると、背景にはボスニア系の独投資会社プリベント・グループとの対立があるもようだ。
プリベントは今年初、自動車部品製造の独ノイエ・ハルベルク・グス(NHG)を買収した。NHGはシリンダークランクケースやシリンダーヘッド、クランクシャフトなどのエンジン部品を手がけており、VWにも製品を供給してきた。
NHGはプリベントの傘下入り後、大幅な値上げを通告したため、VWは同社からの調達を停止。他のサプライヤーへと調達先を絞り込んだものの、これらのサプライヤーで生産能力が限界に達していることから、VWは十分な量のエンジン部品を確保できなくなっているという。
VWは今月初旬、ディーゼルエンジン不足を理由にエムデン工場での車両生産を少なくとも計7日、停止することを明らかにしていた。