仏自動車大手PSAの独子会社オペルは15日、研究開発(R&D)事業を技術サービス大手の仏セギュラ・テクノロジーズに部分売却することで合意したと発表した。将来的に余剰となる人員と設備を譲渡する。取引金額は非公開。来年第2四半期(4〜6月)の取引完了を見込む。
PSAは昨年8月、米競合ゼネラル・モーターズ(GM)からオペルを買収した。オペルは過去20年間、ほぼ一貫して赤字経営が続いていることから、PSAは調達から販売に至るすべての事業過程でシナジー効果を引き出し2020年までに黒字転換させる方針だ。
オペルは本社所在地のリュッセルスハイムでR&D事業を展開している。PSAの傘下入りを受けてGM向けのR&D業務は将来的に消滅することから、PSAは余剰となる研究開発設備と要員の活用を検討。R&D事業の部分売却を複数の技術サービス企業に打診した。
セギュラはそのなかの1社で、PSA、オペルと交渉を進めてきた。
今回の合意でセギュラは◇リュッセルスハイムに開発拠点を開設する◇オペルから車両・駆動装置開発設備を譲り受ける◇オペルのR&D要員7,000人のうち最大2,000人を引き受ける◇2023年7月まで解雇を行わないとしたオペルの労使協定を引き継ぐ――ことを取り決めた。
セギュラは今回の買収をてこに、自動車業界向けソリューションの分野で23年までに世界をリードするサービス事業者になるという目標を実現する考えだ。同社は自動車以外の分野でも技術サービスを展開していることから、リュッセルスハイムの新拠点では鉄道、エネルギーなどの分野でもR&D活動を行う。