自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)が19日発表した10月のグループ新車販売台数は前年同月比10.0%減の84万6,300台へと後退し、2カ月連続で2ケタ減となった。欧州連合(EU)の排ガス検査方式が変更されたことが直撃した格好で、欧州販売は15.6%減の29万5,400台と大きく縮小。全体を強く押し下げた。同社は、排ガス検査方式変更の影響はピークを過ぎたとして、販売台数は11月から増加へと転じるとの見方を示した。2018年全体では前年をやや上回ると予想している。
欧州販売は特に西欧で振るわず、19.3%減の22万9,300台へと後退。ドイツ本国は23.2%落ち込んだ。中東欧は0.2%増の6万6,100台で、EU規制の影響を受けないロシアは22.4%増の2万1,300台と好調だった。
アジア太平洋も7.6%減の39万1,600台と振るわなかった。中国市場の冷え込みが響いた格好で、同国販売は8.3%減の36万5,100台へと落ち込んだ。
北米は2.4%減の7万9,700台で、主力の米国は3.6%減の5万300台へと後退した。
南米は19.8%増の5万4,500台と大幅に拡大した。同地最大のブラジルで伸び率が56.7%に達したことが大きい。
ブランド別でみると、大型トラックのMAN(20.7%増の1万2,900台)とスカニア(3.1%増の8,500台)を除いてすべて減少した。各ブランドの実績はアウディが25.7%減の11万7,600台、セアトが16.8%減の3万3,400台、VWブランド商用車が12.0%減の3万7,900台、ポルシェが11.4%減の1万7,900台、シュコダが7.4%減の9万9,400台、VWブランド乗用車が6.2%減の51万6,900台だった。
1-10月期のグループ販売台数は897万6,500台で、前年同期を2.6%上回った。0.9%減となった北米を除くすべての主要地域で増加。各地域の増加幅は南米で12.8%、中東欧で8.4%、アジア太平洋で3.6%、西欧で1.0%に上った。中国は3.4%増の340万4,900台だった。
ブランド別ではMAN(21.5%増)とセアト(13.6%増)が2ケタ台の伸びを記録。その他はスカニアが6.8%増、シュコダが6.1%増、ポルシェが4.1%増、VWブランド乗用車が1.9%増、VWブランド商用車が0.4%減、アウディが0.9%減だった。