金融スタートアップ支援の独新興企業フィンリープ(Finleap)は19日、金融大手の中国平安保険が同社に資本参加すると発表した。平安保険が持つ巨大な資金力とIT分野の高い技術力を活用し、新技術の開発や事業の拡大を行う。
平安保険は傘下の投資ファンド平安グローバル・ボイジャー・ファンドを通して4,150万ユーロを出資した。出資比率は約15%で、フィンリープをおよそ2億7,000万ユーロと評価したことになる。
フィンリープはベルリンに拠点を置く企業で、2014年に設立された。事業アイデアを作成したうえで、同アイデアに基づく起業を投資家などに働きかける。投資家などが起業した場合はオフィスの手配や経理・人事などのサービスを提供する。すでに保険仲介事業者のクラーク、保険会社エレメント、ソラリスバンクなど16のスタートアップを設立させた。
平安保険はデータ解析やブロックチェーン、人工知能、ビックデータなど幅広いIT分野で開発を行っている。プログラマーは2万2,000人で、ブロックチェーンの専門要員だけで700人に上る。
平安グローバル・ボイジャー・ファンドの役員は『南ドイツ新聞』に、技術・資金面でフィンリープを支援し、新たなスタートアップ企業の立ち上げを共同で行う考えを明らかにした。同紙によると、平安保険はフィンリープを欧州市場参入の足場として利用する考えで、アリアンツなど現地の競合は注意深く見守っているという。
フィンリープにはすでに、独ハノーバー再保険、独保険大手シグナル・イドゥナ、蘭NIBCバンク、MS&ADホールディングス、SBIホールディングスが資本参加している。