アマゾンに支配的地位濫用の疑い、独カルテル庁が調査へ

独連邦カルテル庁は29日、ネット通販大手アマゾンに対する独禁法上の調査を開始した。同社がドイツで展開するマーケットプレイス(仮想商店街)「amazon.de」に出店する事業者に対し支配的な地位を濫用している疑いがあるため。出店者から多くの苦情が寄せられたことから調査に踏み切った。欧州連合(EU)の欧州委員会が同社を対象に9月に開始したEU競争法上の調査と補完関係にあるとしている。

アマゾンはドイツ最大のマーケットプレイス運営事業者で、2位以下を大きく引き離している。同社はマーケットプレイスを運営すると同時に、自らも商品を販売しており、カルテル庁は「(マーケットプレイスの)プラットホーム上で他の事業者の活動を妨げる恐れがある」とみており、アマゾンが定める取引条件とそれに基づく出店者への対応に独禁法上の問題がないかを調査していく。

具体的には◇同社と出店者が法的に争う場合にどの国の法律に基づいてどこで裁判を行うかを定めた条項◇製品に対する顧客のレビュー◇解約と口座封鎖の不透明性◇支払い保留や遅延――などについて調査を行う。

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