乗用車新車登録5年ぶり減少、18年は0.2%減に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した2018年の乗用車新車登録台数は前年比0.2%減の343万5,778台となり、5年ぶりに後退した。欧州連合(EU)の排ガス検査方式変更を受けて9月から前年同月割れが続いたことが響いた格好。12月単月の新車登録台数は前年同月比6.7%減の23万7,058台となり、4カ月連続で落ち込んだ。

18年の新車に占めるガソリン車の割合は62.4%で、前年の57.7%から4.7ポイント上昇した。ディーゼル車の人気低迷がこれまでに引き続き追い風となった格好。ディーゼル車は走行禁止がハンブルクで実施され、他の多くの都市でも避けられない見通しとなっていることが響いて38.8%から32.3%へと6.5ポイント低下した。

環境対応車ではハイブリッド車(HV)の新規登録台数が53.8%増の13万258台と大きく伸び、シェアは前年の2.5%から3.8%へと拡大した。購入補助金が支給されるプラグインハイブリッド車(PHV)は6.8%増の3万1,442台で、シェアは0.9%。電気自動車(EV)は43.9%増の3万6,062台で、シェアは1.0%だった。

車種別のシェアはコンパクトクラスが22.0%(前年23.3%)で、これまでに引き続き最も大きかった。2位はSUVで、前年の15.2%から18.3%へと大幅に拡大。3位の小型車は14.5%(同14.5%)、4位の中型車は10.9%(11.9%)だった。伸び率はSUVの20.8%が最大で、これにキャンピングカー(同15.5%)、大型車(12.4%)が続いた。

新車のカラーでシェアが最も大きかったのはグレーで、29.5%(前年28.5%)に上った。2位はブラックで24.8%(同25.6%)。ホワイトは横ばいの20.9%だった。

ブランド別でみて伸び率が最も大きかったのはジープで、前年比27.9%増の1万7,121台に拡大した。これに三菱(17.1%増の5万803台)、ダチア(14.5%増の7万1,746台)、DS(12.8%増の3,732台)、セアト(12.5%増の12万1,724台)が続いた。

ドイツ車ではスマート(11.9%増の4万1,094台)、ミニ(8.1%増の5万494台)、フォード(2.3%増の25万2,323台)、VW(1.5%増の64万3,518台)、BMW(1.2%増の26万5,051台)の5ブランドで前年を上回った。その他のブランドはポルシェが2.0%減の2万8,695台、メルセデスが2.2%減の31万9,163台、オペルが6.5%減の22万7,967台、アウディが9.9%減の25万5,300台だった。

三菱以外の日本車ではハイブリッド車を基軸に据えるトヨタが3.5%増の8万3,390台へと拡大。マツダも0.2%増の6万7,387台とわずかながら伸びた。その他のブランドはスズキが1.7%減の3万7,530台、スバルが2.1%減の7,285台、ホンダが7.4%減の1万8,710台、レクサスが7.9%減の2,766台、日産が26.0%減の5万366台だった。

日本車以外の主な輸入ブランドではボルボ(11.1%増の4万5,405台)、現代(5.9%増の11万4,878台)、ジャガー(5.7%増の9,500台)、シトロエン(4.7%増の5万5,223台)、起亜(2.7%増の6万5,797台)、シュコダ(1.4%増の19万6,968台)が増加。ルノー(3.4%減の13万825台)、フィアット(3.4%減の8万1,460台)、プジョー(3.8%減の6万8,237台)、アルファロメオ(10.8%減の5,436台)、ランドローバー(23.3%減の1万8,141台)、双竜(24.6%減の2,436台)、テスラ(42.8%減の1,905台)は落ち込んだ。

ブランド別の市場シェアではVWがこれまで同様ダントツの1位で18.7%(前年18.4%)に上った。輸入ブランドではシュコダの5.7%(同5.6%)が最大。日本車1位はトヨタで、2.4%だった。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した18年の国内乗用車生産台数は511万8,800台で、前年を9%下回った。輸出台数は9%減の399万500台。12月は生産台数が前年同月比18%減の29万6,000台、輸出台数が20%減の24万6,800台だった。

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