VWが中国に新ブランド「ジェッタ」投入、低価格で若年層にターゲッ ト

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は26日、中国に新ブランド「ジェッタ」を投入すると発表した。初めて車を購入する若年層に照準を合わせたブランドで、これまでVWの顧客となり得なかった消費者を獲得する狙いだ。第3四半期から販売を開始する。

ジェッタは元来、VW「ゴルフ」をベースとするCセグメント車だが、同社はこれをブランド化する。モデルをブランド化するのはVW史上初めて。VWブランド乗用車のユルゲン・シュタックマン取締役(販売担当)は、ジェッタはVWが中国で初めて生産したモデルであり、戦後ドイツの自動車の大衆化を象徴するVW「ビートル」に相当すると指摘したうえで、「ジェッタは中国人にとって、よりよい生活という実現可能な夢を意味する」と背景を説明した。

まずは3モデルを投入する。そのうち2モデルを人気が高いSUVとし、残り1モデルはセダンとする。発売時点で約200の販売店を確保する意向だ。ターゲットとする若年層はネットの利用頻度が高いことから、販売手続きはほぼ全面的にデジタル化する。

中国で販売される乗用車の3分の1は低下価格車で、そのほぼすべてを中国メーカー車が占める。VWはジェッタの投入で低価格車部門に参入。これまで手付かずだった顧客層を開拓していく。ただ、品質や安全性、デザイン、中古市場での残存価値などの面で現地の低価格車との差別化を図る考えで、シュタックマン取締役は「いわゆるバジェットカーやエコノミーブランドではない」と強調。価格もバジェットカーの5,000~6,000ユーロより高く設定することを明らかにした。

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