バイエル純益、18年は77%減少

ライフサイエンス大手の独バイエルが27日発表した2018年12月期決算の純利益は前期比76.9%減の16億9,500万ユーロと大幅に縮小した。組織再編に伴う評価損の計上や米農業化学大手モンサントの買収に伴う費用が最大の押し下げ要因。比較対象の17年12月期は旧子会社コベストロの保有株売却で水準が押し上げられており、その反動も響いた格好だ。営業利益(EBITDA、特別要因を除く)は2.8%増の95億4,700万ユーロ。売上高はモンサント買収の効果で13.1%増の395億8,600万ユーロと大きく伸びた。

同社は昨年11月、収益力の向上に向けて◇動物薬部門を分離する◇一般医薬品部門の日焼け止めクリーム「コパトーン」とフットケア剤「ドクター・ショール」を売却する◇化学工業団地運営会社クレンタの持ち分60%を放出する◇独ヴッパータールにある血友病治療薬工場を閉鎖する――方針を打ち出した。これを受けて資産価値の再評価などを実施。第4四半期(10~12月)に巨額の特別費を計上したことから、同期の純損益は39億2,400万ユーロの赤字へと転落した。

18年12月期のEBITDA(特別要因を除く)を部門別でみると、農業化学は前期比29.8%増の26億5,100万ユーロへと拡大した。モンサント買収で水準が押し上げられた。他の3部門はすべて減少。処方薬は2.0%減の55億9,800万ユーロ、一般医薬品は11.0%減の10億9,600万ユーロ、動物薬は6.0%減の3億5,800万ユーロへと落ち込んだ。

19年12月期は為替の影響を除いたベースの売上高で約4%増の460億ユーロ、EBITDA(同)で約122億ユーロを見込む。

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