三菱UFJが独銀の航空機ファイナンス関連事業買収

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は1日、傘下の三菱UFJ銀行がMUFGの持分法適用会社である東銀リースとともに、独信用協同組合の中央機関であるDZバンクの子会社DVBバンクから航空機ファイナンス関連事業を譲り受けることで合意したと発表した。成長の柱と位置づける航空機ファンナンス事業を強化する狙い。買収金額は明らかにしていない。当局の承認などを経て買収手続きを年内に完了させる考え。

三菱UFJ銀行はDVBバンクから航空機ファイナンス関連事業の顧客向け貸出債権およそ56億ユーロ(約7,163億円)と、従業員・その他の事業基盤を取得。東銀リースは新設する子会社を通してDVBバンクの航空機インベストメントマネジメント事業と航空機資産管理事業を譲受する。

MUFGは航空機ファイナンスをグローバル・コーポレート・インベストメントバンキング(GCIB)事業の成長の柱の一つと位置づけている。今回の取引によりGCIB事業のリターン向上とポートフォリオの分散を図るとともに、航空機ファイナンス事業の顧客基盤拡大や専門人材の獲得を実現する。

DVBバンクは航空機、鉄道、船舶市場における事業金融に特化したグローバルな金融機関。船舶融資分野で巨額の不良債権を抱えていることから、DZバンクは同子会社の売却を進めており、鉄道融資事業は昨年、独ヘッセン・テューリンゲン州立銀行(Helaba)に譲渡した。航空機分野の事業売却を今回、取り決めたことから、残るは船舶融資事業のみとなった。船舶融資のうち70億ユーロ強は健全な債権で、残り41億ユーロが不良化している。

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