独検察がボッシュに過料命令、排ガス不正で

独シュツットガルト検察当局は23日、自動車部品大手のボッシュに総額9,000万ユーロの過料支払いを命じたと発表した。同社が顧客の自動車メーカーに販売したディーゼルエンジン制御装置などに排ガスを不正に操作するソフトウエアが部分的に含まれていたため。同社自体は不正に関与していないものの、監督義務を怠ったことから罰金命令を下した。ボッシュは受け入れを表明しており、同社に対する秩序違反法上の手続きは終了することになる。

ボッシュは2008年以降、エンジン制御装置とドージング制御装置を国内外の自動車メーカーに約1700万個、販売した。両装置のソフトに違法な機能が一部、含まれていた。

これらの機能は顧客メーカーの社員が開発したもので、ボッシュが会社ぐるみで関与することはなかったが、違法行為を防げなかったことから監督義務違反を認定された。

過料9,000万ユーロのうち監督義務違反を理由とするものは200万ユーロ。残り8,800万ユーロは違法な製品の販売で不当な利益を獲得したことから課された。

排ガス不正問題では同社の顧客であるフォルクスワーゲン(VW)、アウディ、ポルシェも独検察当局から過料支払いを命じられた。過料の額はそれぞれ10億ユーロ、8億ユーロ、5億3,500万ユーロとなっている。ボッシュの過料がこれを大きく下回るのは同社が不当に得た利益が小さいため。

顧客自動車メーカーの違法ソフト開発にボッシュの社員が個別に関与していたかどうかは現時点で解明されていない。このため、シュツットガルト検察当局は同社に対する今回の過料命令とは別に、捜査を続けている。

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