電機大手の独シーメンスは14日、同社とエジプトの建設大手オラスコム・コンストラクションがイラク北部のバイジにある発電所の再建をイラク電力省から受注したと発表した。閣僚評議会と財務省の承認を経て着工する。受注額は明らかにしていない。シーメンスはイラクの電力インフラ再建に協力しており、今年はこれまでに700メガワット(MW)の発電施設を完成させた。
バイジはバクダッドの北250キロの地点にある都市。イスラムテロ組織「イスラム国」の襲撃で同地の発電所が損傷したことから、これを再建する。具体的には「バイジ1」「バイジ2」の2発電所を建て直す。発電能力は計16ギガワット(GW)で、イラク最大の発電所となる。
シーメンスは新型ガスタービン「SGT5-2000E」4基を供給するほか、既存のガスタービン6基の点検と修理を実施。また、変電設備と発電機、自動化・コントロールシステムを納入する。
バイジ発電所が復旧すると、同地の製油所、セメント工場、周辺地域の一般世帯に安定的に電力を供給できるようになる。