独産業連盟(BDI)のヨアヒム・ラング専務理事は18日、英国の欧州連合(EU)離脱期限を再び延期することは好ましくないとの見方を示した。企業の不要な負担が増えると警戒している。
英国は当初、3月29日にEUを離脱することになっていた。だが、EUとの間で取り決めた離脱協定案を英議会が承認しないことから、同国のメイ首相(当時)は離脱期限の延長を要請。EUはこれを受けて同期限を10月末へと延ばした。
企業は3月末の離脱を前提に対策を立てていた。10月末への延期の結果、この対策の少なくとも一部は無駄なものとなり、企業には不要なコストが発生した。ラング専務理事は、離脱を再延期すると、企業は再び犠牲を強いられるとみている。
同専務理事はまた、英国のジョンソン首相の言動からは言葉とは裏腹に「合意なき離脱」を回避するプランが読み取れないと指摘。10月末への離脱延期はEUとの交渉の前進につながっていないとして、同首相は無責任な火遊びをしていると批判した。
BDIはドイツの国内総生産(DGP)成長率が昨年の実質1.5%から今年は0.5%へと大幅に低下すると予想している。ラング専務理事は今回、英国がEUと協定を締結しない状態で10月末に離脱した場合、成長率はほぼ0%まで低下するとの見方を示した。