照明大手オスラムに新たな買収提案

照明大手の独オスラムは25日、米投資会社アドベントとベイン・キャピタルからなる企業連合から買収提案を受けたことを明らかにした。オスラムに対してはベインと米投資会社カーライルからなる企業連合、および墺センサー大手AMSがそれぞれ株式公開買い付け(TOB)を実施中。これまではAMSがオスラムを買収する可能性が高かったが、アドベントとベインはAMSを上回る買収条件を提示するとしており、買収合戦の行方は混とんとしてきた。

オスラムに対する買収提案はベイン/カーライルが1株当たり35ユーロ、AMSが同38.5ユーロとなっており、TOB合戦ではAMSが有利な状況にある。ベインはこれに対抗するために買収提示額を引き上げたい考えだったが、カーライルが拒否したため、新たにアドベントと組んでTOBを行う方針に転換した。

オスラムの声明によると、アドベント/ベインはAMSの提示額を大きく上回る条件での買収を提示した。また、オスラム経営陣が展開してきた経営戦略の支持や、雇用と事業拠点の維持を確約している。AMSはオスラムの分割を計画し、オスラム従業員の反発を招いていることから、従業員と労組はアドベント/ベインの提案を支持する可能性がある。メディア報道によると、取締役会、および労使の代表で構成される監査役会の一部はアドベント/ベインの提案に傾いているという。

アドベント/ベインは今後、短期間の資産査定(デューデリジェンス)を行ったうえで正式の買収提案を行う。発行済みの全株式を取得する意向だ。

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