ドイツ西部の食肉加工品メーカー、ヴィルケ・ヴァルデッカー・フライシュ・ウント・ヴルストヴァーレンの製品を食べた高齢者2人が細菌性の食中毒で死亡したことが2日、分かった。検査を行ったロベルト・コッホ研究所は、病原性の細菌であるリステリアに汚染された同社製品を食べたことが死因だと断定しており、地元の衛生当局は生産停止を命令。同社は全製品の回収に乗り出したものの、回収しきれるかは定かでなく、連邦消費者保護・食品安全庁は注意を呼びかけている。
リステリアに感染すると、発熱、悪寒、筋肉痛、吐き気、嘔吐、下痢などを発症する可能性がある。健常者では発病しないことが多いものの、高齢者や子供、妊婦、免疫力が弱っている人では重篤となり、死亡することもある。
ヴィルケ製品がリステリアに汚染されていることは3月に発覚した。同社はこれを受けて生産施設を清掃・消毒したものの、その後も汚染が相次いで確認されていた。
これまでは生産停止命令が出されていなかった。カッセル検察当局は事態を重くみて、捜査を開始した。
同社製品は自社ブランドや小売チェーンのプライベートブランドとして販売されているほか、社員食堂や病院でも食材として使われている。製品にはヴィルケの製造者確認番号(DE EV 203 EG)が記されているため、消費者はスーパーや自宅で表示を確かめる必要がある。