州立銀Helabaと貯蓄銀系ファンド会社が合併協議へ

貯蓄銀行の全国組織である独貯蓄銀行・振替銀行連合会(DSGV)は8日、貯蓄銀行の中央金融機関を設立する構想の具体化を貯蓄銀行地域団体の会長会などが決議したと発表した。貯蓄銀行と州が共同出資する州立銀行、および貯蓄銀行独自の金融機関を統合し、貯蓄銀が競争力を維持できるようにする狙いだ。第一弾として、ヘッセン・テューリンゲン州立銀行Helabaと貯蓄銀系ファンド会社Dekaに対し合併に向けた協議を促す。

ドイツには貯蓄銀が計384行ある。これらの貯蓄銀はそれぞれの所在地の州とともに州立銀行に出資している。州立銀は現在、5行ある。

貯蓄銀系の金融機関には州立銀のほか、Deka、不動産金融会社ベルリンヒプがある。

DSGVのヘルムート・シュレーヴァイス会長は昨年、貯蓄銀行の中央金融機関設立構想を打ち出した。低金利の長期化や金融のデジタル化を背景に業界を取り巻く環境が厳しくなり、「我々のグループ企業の構造では将来的に生き残ることができない」と危機感を持っているためだ。

同構想に反対する声もあるものの、HelabaとDekaは危機感を共有していることから、DSGVは合併協議を促すことにした。Dekaはファンド販売手数料を主な収入源としていることから、低金利の影響が小さく、安定した利益を確保している。HelabaはDekaと合併することで、低金利の痛手を緩和できる。

貯蓄銀系の金融機関を統合すると、規模の効果で決済や国外事業などの競争力を高められるというメリットもある。

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